猫の慢性腎臓病(CKD)
1. 慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)とは
猫の慢性腎臓病は、3ヶ月以上持続する不可逆的な腎機能低下を指します。
高齢猫で最も一般的な疾患のひとつであり、進行性かつ不可逆的であるため、早期発見・早期介入が予後を左右します。
2. 原因
| 原因 | 具体例 |
|---|---|
| 加齢変性 | 最も多い |
| 慢性間質性腎炎 | 炎症・線維化 |
| 尿管閉塞 | 結石・詮子・狭窄 |
| 糸球体疾患 | 免疫介在性など |
| 高血圧性腎障害 | 二次性変化 |
| 先天性疾患 | 多発性嚢胞腎(PKD)など |
| 感染症 | FIP、レプトスピラなど |
3. 臨床症状の進行イメージ
| 進行段階 | 主な症状 |
|---|---|
| 初期 | 無症状、軽度多飲 |
| 中期 | 多飲多尿、体重減少、被毛不良、フケ |
| 進行期 | 食欲低下、嘔吐、脱水 |
| 末期 | 口内炎、衰弱、貧血、尿毒症 |
4. 診断アプローチ
① CKDの定義
- 3ヶ月以上持続する
- Cre上昇(腎数値の上昇)
- SDMA上昇(より早期の腎機能評価マーカー)
- 尿比重低下(USG <1.035)
- 画像検査上の腎萎縮・皮質髄質境界不明瞭
② IRISステージ分類
◆ ステージ分類(CreまたはSDMA)

エコー所見
- 腎サイズ縮小
- 皮質菲薄化
- 髄質境界不明瞭
- 腎盂拡張(閉塞除外)
5. 治療(ステージ別)
🟢 CKD Stage 1
- 原因精査
- 高血圧管理
- 定期モニタリング(3〜6ヶ月)
🟡 CKD Stage 2
- 腎臓療法食開始
- 血圧管理(必要時)
- 蛋白尿があればACE阻害薬
- 皮下補液検討
※このタイミングまでに治療に介入できれば長期での安定可能
🟠 CKD Stage 3
- 療法食必須(腎機能サポート食)
- リン制限(>4.6 mg/dLでリン吸着剤)
- 低K血症補正
- 貧血管理(PCV <20–25%で介入)
- 胃粘膜保護
- 定期的な皮下補液
🔴 CKD Stage 4
- 積極的支持療法
- QOL重視
- 週2–3回皮下補液
- 貧血治療(造血ホルモン剤)
- 高リン血症管理
8. 最後に
慢性腎臓病は「治らない病気」ですが、
適切な管理で長く穏やかに生活できます。
当院では適切な検査、内科治療法に基づき
- 正確なステージ分類
- 個別化した治療
- 定期モニタリング
を徹底しています。
猫の慢性腎臓病は上記でも述べたように早期発見、早期治療がその子の寿命を大きく伸ばす手立てとなりますので、
定期的な健康診断、自宅での飲水量や尿量に変化が無いかなど、状態チェックを行いましょう。
気になる方はネット、電話予約も対応しているため、気軽にご相談ください。
TEL 03-5356-8568